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 このブログをスタートして一年が経ちました。私のアメリカ留学も終わりを迎えようとしています。

 これを機に、このブログの更新を一旦休止したいと思います。これからは不定期で更新していく予定です。今まで応援してくださった方々、どうもありがとうございました。

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 これからも、たま~にこのブログに遊びに来ていただけると嬉しいです。時々更新されているはずです♪


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   これまでのご愛顧、本当にありがとうございました。
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# by dreamwhile | 2010-09-25 10:01  

機械仕掛けの体?

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 世界は時計仕掛けのようであり、
 部品を一つ一つ個別に研究した上で、
 最後に全体を大きな構図で見れば、
 機械が理解できるように、
 世界も理解できるだろう



 17世紀の哲学者デカルトの言葉です。複雑なものを理解しようと思った場合、まずはそれを構成する要素(部品)に分解していき、次にその各々の部品を詳細に調べ、最後にそれを統合していけば、複雑に見えるものでも理解できるだろうという考え方です。彼は、動物も一種の自動機械として説明できるだろうと考えていました。

 分析(analysis)という言葉は、各々に(ana)分解する(lysis)という意味のギリシャ語から来ています。確かに、複雑な事象であっても、細分化していけば理解しやすくなります。この手法のおかげで、近代の自然科学が大きく前進したのも事実です。以前お話したノックアウトマウスも、「各々の部品を詳細に調べる」というステップで大きな力を発揮します。

 でも、この方法にも限界があります。生物は複雑すぎるのです。分解して部品を調べることはできますが、全ての部品を調べるのには膨大な時間がかかってしまいます。また、たとえそれができたとしても、最後にその部品を統合していくことができません。各々の部品が複雑に絡まりあっているからです。このため、ある刺激に対して、各々の部品がどう動くかがわかったとしても、体全体としてどう動くかは予測困難です。

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 このような経緯から、最近では、「複雑な現象を、あえて分解することなく、複雑なまま捉えよう」という研究手法が出てきました。簡単なことではありませんが「分解する手法」と「複雑なまま捉える手法」とを組み合わせていけば、少しずつ全体が見えてくるのかもしれません。


 古代ギリシャの哲学者アリストテレスは次のような言葉を残しています。

 「全体とは、部分の総和以上の何かである」



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  体の仕組みは奥が深いですね。
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# by dreamwhile | 2010-09-19 01:23  

コレステロールは高い方がいい???

 先日、「コレステロールは高い方がいい?」というニュースを見かけました。これまでの常識と正反対ですが、本当に高い方がいいのでしょうか???

 コレステロールは高い方がいいと主張をしているのは、日本脂質栄養学会です。神奈川県伊勢原市の老人基本健診受診者(男性8340人、女性1万3591人)を約7年間追跡した結果、男性ではLDLコレステロール値が79以下の人より、100-159の人の方が死亡率が低く、女性ではどのレベルでもほとんど差がありませんでした。

 この結果を聞くと、コレステロールは高い方がいい、と思うかもしれません。でも、ちょっと待ってください。本当にそうでしょうか???


 例えば、車で高速道路を走るのに、時速何kmで走るのが一番いいか、という調査をしたとします。よく高速道路を利用している人を対象にして、10年間追跡調査をした結果、時速20km以下で走っている人の死亡率が高く、時速80-120kmで走っている人の死亡率が一番低かった、という結果になりました。この結果を聞いた時に、「スピードはできるだけ速いほうがいい」とか、「速度制限をする必要はない」というふうに思うでしょうか?
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 この調査の場合、時速20kmというスピード自体よりも、その人がなぜ高速道路を時速20kmで走っているのか、という理由が気になると思います。車の調子が良くないのかもしれませんし、その人自身の調子がよくないのかもしれません。いずれにしましても、健康な人がメンテナンスされた車に乗っている場合と比べて、死亡率が高くなってしまう可能性があります。つまり、時速20kmというスピード自体が死亡率と直接関係しているわけではなく、時速20kmで走っている背景が死亡率に影響を及ぼしているのです。

 では、コレステロールの場合はどうでしょうか?LDLコレステロール値が79以下の人というのは、正常よりかなり低い人たちです。この中には、栄養状態が悪い人も含まれるでしょうし、癌などの病気のせいでコレステロールが低くなっている人も含まれていると考えられます。結果として、死亡率が高くなってしまうことが考えられます。

 さて、みなさんが一番知りたいのは、「コレステロールが高い場合、そのままでいいのか、下げる努力をしたほうがいいのか」という点だと思います。これを調べようと思った場合、コレステロールが高い人たちを集め、治療をした場合としなかった場合とで、どちらが健康で長生きできるか、を調べるのが一番です。そして、そのような調査はこれまでに何度となく行われてきました。

 で、結論はというと……

 実は、専門家の間でも意見が分かれています。コレステロールが高めの方は数多くいらっしゃいますが、その全ての方々に治療が必要だとは言えないからです。特に、コレステロールは高いけれど、それ以外はいたって健康だという方の場合、治療が必要かどうかの結論は出ていません。一方、狭心症(きょうしんしょう)や心筋梗塞(しんきんこうそく)の持病がある場合は、コレステロールを下げる治療をしたほうがいいと考えられています。また、コレステロールが高くて、高血圧や糖尿病などの持病がある場合も、治療したほうがいいだろうと考えられています。

 コレステロールは私たちの体に必要な成分です。コレステロールなしでは、私たちは生きられません。一方、多すぎるコレステロールが有害であることも事実で、錆びたコレステロールが体にたまってくると、狭心症や心筋梗塞を引き起こしてしまいます。

 過ぎたるはなお及ばざるがごとしなのです。



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# by dreamwhile | 2010-09-13 01:25  

ノックアウトマウスって???

 ある日突然、停電に見舞われてしまったら…

 そして、それが復旧しなかったとしたら…

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 部屋は真っ暗。クーラーも効きません。
 冷蔵庫も、炊飯器も、洗濯機も、何もかも使えません。
 きっと、私たちの暮らしに電気がどれだけ貢献していたか、
 身にしみてわかるはずです。


 ある物の役割を知ろうと思った場合、
 それが無い状況でどういう不都合が起こるかを調べるのが一番です。


 私たちの体の部品には、役割がわかっていないものがまだまだあります。そして、それらの役割を解明するための研究が、世界中で行われています。各々の部品の役割がわかれば、より深く体の仕組みを理解することができ、病気の仕組みを理解することができます。新しい治療法を開発することもできます。

 そのような時に重宝されるのが、「ノックアウトマウス」というネズミです。ある部品の役割を調べようと思った時に、遺伝子組み換え技術によって、その部品を持たないマウスを作り出してしまうのです。この、ある部品だけがノックアウトされてしまったマウスのことを、「ノックアウトマウス」と呼びます。マウスにとってみれば本当にはた迷惑な話ですが、この「ノックアウトマウス」のおかげで医学研究が押し進められているのも事実です。ヒトの遺伝子はその大部分がマウスと共通しているので、ノックアウトマウスを調べることによって、人間の体の仕組み、病気の仕組みについての理解を深めることができるのです。この功績が称えられ、ノックアウトマウスを最初に作り出したカペッキ博士、エヴァンズ博士、スミティーズ博士には、2007年にノーベル生理学・医学賞が贈られました。

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  医学研究を支えてくれているマウスに感謝。
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# by dreamwhile | 2010-09-04 08:34  

痛いの痛いの飛んでいけ~

 今回はちょっと非科学的な(?)テーマを取り上げてみたいと思います。

 「プラセボ」という言葉を聞いたことがありますか?本物の薬のように見えるけれども、薬としての成分を含まないニセモノの薬のことで、日本語では「偽薬」と表記されることもあります。このように書くと、否定的な意味合いが前面に出てしまいますが、プラセボ (placebo) はもともと"I shall please"を意味するラテン語で、「喜ばしいもの」、「意にかなったもの」のことです。つまり、本物の薬ではなかったとしても、薬だと信じて服用することで癒される、ということなのです。
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 現代の医療現場において、プラセボが使われる場面というのは限られています。他にも治療法があるのにプラセボを使うというのは、倫理的に許されない場合が多いからです。例えば、睡眠薬や鎮痛剤を欲しがっている患者さんに対して、連用による依存や副作用を心配してプラセボを使う、というケースが考えられますが、このようなことを続けていると、患者さんと医師との信頼関係が崩れてしまいます。

 新しい薬が開発される過程において、プラセボが使われることもあります。新薬の効果を確かめるのに、薬を服用した場合と服用しなかった場合とを比べると、どうしても余計な先入観が入ってしまうため、薬を服用した場合とプラセボを服用した場合とを比べるのです。もちろん、患者さんには事情を説明し、その薬が「実薬」かもしれないし「偽薬」かもしれないことを理解していただきます。多くの場合、それを処方する医師自身にも、それが「実薬」なのか「偽薬」なのかは知らされません。そうすることで、被験者(患者)にも観察者(医師)にも、先入観なしで薬効を評価してもらうことができます。「実薬」か「偽薬」かは、最後にデータを解析する時になって、初めて明かされるのです。

 医療現場ではあまり使われなくなってきたプラセボですが、家庭や宗教施設などでは「プラセボ効果」を狙った治療法が見受けられます。代表的なものは、「痛いの痛いの飛んでいけ~」です。小さい子供が転んだ時、お母さんがこの呪文を唱えながら優しく撫でてくれると、不思議と痛みが和らぎます。

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 プラセボ効果については、本当に効果があるかどうかを疑問視する声もあります。効果があるかどうかを「科学的に」証明することが難しいからです。というのも、これは誰がやっても同じような効果が得られる治療法ではないからです。「痛いの痛いの飛んでいけ~」は、お母さんがやってくれるから効果があるのであって、見ず知らずの外国人にやってもらっても逆効果です。また、たとえお母さんがやってくれたとしても、思春期を過ぎた子供に対してはあまり効果がありません。宗教の世界であれば、教祖様が施してくれる治療であれば、良くなった気もしますが、一般人がその真似ごとをしたところで、同じ効果は得られません。施す側とそれを受ける側との間の絶対的な信頼関係が、「プラセボ効果」を生みだすのです。

 現代の医療現場では、名人芸的な治療法は消えつつあり、誰がやっても同じような効果が発揮できる「標準的な」治療法というのが主流になってきています。それは「科学的な医療」、「根拠に基づく医療」であり、現代医学が目指している方向です。そのような中、プラセボは標準的な治療法とはなりえないかもしれません。しかしながら、プラセボ効果を操ることができる医師は名医であると言えます。患者さんとの間に揺るぎない信頼関係を構築することができれば、「偽薬にプラセボ効果」を上乗せできるように、「実薬にプラスアルファ効果」を上乗せすることもできるのです。


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# by dreamwhile | 2010-08-29 08:49